【伝統擇日】建築に関する日選びは重要~工程ごとに解説~

『建築』に関する伝統擇日(日選び)について、お伝えします。

古来より、建物の建築は、その工程によって『擇日』され、『神事』が行われてきました。

既存建物の解体
地鎮祭
基礎工事始め
建物工事始め
上棟式
近隣への挨拶
入居日
親戚へのお披露目

それぞれに意味があり、しっかりと擇日されています。

既存建物の解体

既存建物が建っている物件を選ぶ人も多いのでは?

建物の解体というと、地上に意識が向きがちですが、大きな重機が入ってガンガン壊していく訳ですから、当然のように地面は振動します。

すなわち、『大地』が動く・・・という事になります。

日本の伝統文化でも、中華圏の伝統文化でも、『大地』に対しての意識は強く、いくつもの『禁忌』が定められています。

【土用期間中は避ける】

土旺用事の事を、日本では『土用』と言いますね。
『土用の丑の日』が、定着してしまっていますので、『土用=特定の日』と思っておられる方が多いのですが、土用というのは、特定の期間を指します。
この土用の期間は、土を動かす事が『禁忌』されています。
1月、4月、7月、10月に土用はあります。

また、この影響は、近隣にお住まいの方にも、強く影響が出ますので、土旺用事の解体工事は、避けた方が良いでしょう。

【解体開始日の吉日は?】

風水的に考えると『月破大耗』の日。
月破大耗は、『破屋壊垣(はやかいえん)』の吉日と言われています。

月破大耗は、凶日として、私がツイッター配信する『週間伝統擇日』で、御紹介しています。
ですが、全ての事柄に対して、凶日とされる日は、本当に少ないのです。

地鎮祭とは

地方によって、呼び名が変わり、鎮地祭、地祭り、地祝いなどと呼ばれる。

建築工事や土木工事が行われる前に、土地の守護神(鎮守紳)をお祀りして、土地利用の許しを得る意味や挨拶の意味がある。

また、工事に対する安全祈願の意味も込められている。
そのため『安全祈願祭』とも呼ばれることがある。

神式と仏式があるが、基本は『氏神様』が祀られる神社の神主が行うことが多いですね。

余談になりますが、農家の方が、毎年春先に、豊作や無事故を祈願して行われる地鎮祭もあります。
つまり、古代人は、土(大地)をさわるという事に、凄く敏感になっていた事がわかりますね。

【地鎮祭は誰がするの?】

施主が神主さんに依頼して、行うのが一般的です。
そこに、建設業者や設計者が参列するような形式が一般的ですね。

【地鎮祭の服装は?】

男性の場合、スーツにネクタイ着用。女性の場合、礼服とされていますが、最近の地鎮祭は、簡易的に済ます人も多く、その場合は、大人しい平服が好ましいでしょう。

【地鎮祭はやらなきゃダメ?】

地鎮祭は、宗教的行事です。風水は『宗教』では、ありませんので、風水的に考えるとしなくてもOKです。
ですが、一生のうちで、そんなに何度もある事ではないので、可能な限り地鎮祭をした方が良いと考えています。

【地鎮祭の擇日】

地鎮祭の擇日は、主に叢辰法の天赦、天徳、月徳、天徳合、月徳合などの、祭祀や神事に対する吉日を選ぶのが一般的です。

また、神社暦にも記載されている、十二建除(十二直)や、仏式の暦に記載されている二十八宿も重ねて考えると良いでしょう。

基礎工事始め

いよいよ基礎工事が始まります。

基礎工事は、皆様もご存知のとおり、大地を揺るがす工事ですので、『土旺用事』に向きません。
また、解体工事でもありませんので、月破大耗の日は禁忌されています。

【基礎工事の擇日】

叢辰法の天徳、月徳、天赦などを選ぶのが吉と考えられています。

十二建除も重ねて考えるべきでしょう。
【十二建除】建日が好ましいですね。

建物工事始め

基礎工事始めと、建築工事始めは、本来、別のものと考えられています。

建築工事は『修造』に分類され、基礎工事は『動土』に分類されています。

最近では、建築工事始めと上棟式を同じ日にする事が、多いですね。

【建築工事の擇日】

叢辰法の月徳、天徳合、歳徳、歳徳合が望ましいですね。

十二建除を重ねるのであれば建日。

上棟式とは

上棟式は、工事の骨組みが完成して棟木(むなぎ)を上げるときに行われる神事で、建物完成までの安全祈願。
棟上(むねあげ)、建前(たてまえ)、建舞(たてまい)とも呼ばれる。

日本の上棟式にも、神式や仏式がある。

上棟の日は、少し特別な日で、大工さんの棟梁が、人脈を終結させ、大工仲間で一気に骨組みを完成させる日となります。

余談ですが、屋根が出来る前の作業で、天気予報と睨めっこが続きます。
雨の中の上棟は、危険な作業になりますので、中止になります。何人もの大工さんがスケジュールを調整して集まるので、出来るだけ良いお天気になりそうな日を選びたいでしょう。

複数人の大工さん、現場監督の力で、上棟が完成します。
上棟式というのは、上棟まで無事に工事が進んだというお祝いを含めて行う神事なのです。

【上棟式は誰がするの?】

基本的に施主が中心になって行われるのが一般的です。
ですが、初めての経験という方が、ほとんどですので、工務店やハウスメーカーさんに、御相談される事をお勧めします。

ハウスメーカーさんによっては、工事の工程に『上棟』がない場合があります。
その場合は、上棟に当たるのは、どの工程なのか、しっかりと聞いて行うのが良いでしょう。

【上棟式は何をする?】

上棟作業後に、上棟式を行います。
大体15時~16時頃になる事が多いです。
(現場作業は何が起こるかわからない)

  1. 棟木の上に飾り物。
  2. 祭壇を飾る。(御幣や神饌物)
  3. 酒や塩、お米でお清め
  4. 工事が無事進むよう祈願。
  5. 施主の挨拶
  6. 棟梁や関係者の挨拶
  7. 手締めを行う
  8. ご祝儀や引き出物を配る

基本的には、神主さんや現場監督が進行してくれます。

【上棟式のご祝儀は?】

最近は、ご祝儀を渡さない事も多いようです。

ですが、一生住む家を建ててくれる訳ですから、気持ちよく作業してもらう為にも、無理のない程度に渡す方が良いでしょうね。

【相場】
棟梁:1~3万円
大工:2~5千円
現場監督:2~5千円

ですが、あくまでも気持ちですので、無理のないように!

【上棟式の擇日】

上棟式の日の擇日は、少しシビアに考えます。
というのも、危険な作業をする当日です。

月破大耗のような凶日は選ばないようにしましょう。
選ぶとすれば、天徳、月徳、天赦、天徳合、月徳合、三合日となります。

また、十二建除の危日は避けるように!

【風水師の経験談】

上棟の日を、少しシビアに考える・・・というのも、月破大耗の日に、棟上を行った結果、大工さんが怪我をしたという話を良く耳にします。

中には、死亡事故が起きたという話もあります。

建築時に、心理的瑕疵物件になる・・・そんな事態は避けたいですよね。

近隣への挨拶

これから長く住む土地、家。
先にお住まいの方々への、挨拶を忘れないようにして下さい。

一般的には、解体前に回るのが良いでしょう。

また、この段階でトラブルに発展してしまうという事もあります。

【近隣挨拶の擇日】

日頃、正統な擇日法を、使っている方なら理解できると思いますが、『擇日は人の心に影響』します。

月破大耗は、特に顕著に表れます。

見ず知らずの人が、突然挨拶に来る訳ですから、挨拶される側は警戒心から入りますからね。
それが、イライラしているタイミングかも知れませんからね。

天恩日や月恩日を選ぶのが良いでしょうね。

入居日(引越し)

新居へのお引越しの日。
これは、絶対に選びたい・・・ですね。

入居日の定義を、良く質問されます。

入居日というのは、寝始める日の事を言います。

・荷物を入れる日
・引渡しされた日
・住民票を移した日

全て、入居日とは考えません。

叢辰法では、天恩日、天赦日、月恩日、四相日を選ぶのが良いでしょうね。

十二建除の場合、成日を選ぶのが良いでしょうね。

親戚等へのお披露目

核家族化が進み、親戚同士のお付き合いが減っていますが、新居=晴れ舞台。
多くの方に、お祝いして頂きたいですよね。

親密なコミュニケーションを取りやすい日を擇日します。

定日を選ぶのが良いでしょうね。

まとめ

一生に一度、多い人でも数度しかないマイホーム建築。

土地や建物には、不思議な力があると考えられていたので、古来から『建築』に関する擇日法、方位術、風水術が発展して来ました。

当時は『不思議な力』と考えられていたかも知れませんが、現在では科学の発展によって、不思議ではなく科学的根拠も少しずつ解明されています。

科学的根拠までいかなくても、人間は天体の影響を受けている事は間違いありません。

科学的根拠が無いからと、古人の智慧を無視する事も、選択肢の一つです。
しかし、古人の智慧も科学的に解明され始めています。

現代になって、三隣亡や一粒万倍日のように、間違いであった事がわかる擇日法もありますが、確実に現代も使用できる擇日はあります。

古人の智慧を、過信する事無く、正しく使用する事が、豊かな人生に繋がると感じませんか?

まずは、ツイッターの『伝統風水週間暦』で、擇日の重要性を感じて下さい。

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伝統風水師 小林蔵道

 東洋の伝統を重んじ、和魂漢才スタイルで人間の幸せを創造。

 京都に風水専門店を構え、年間300件以上の風水、四柱推命鑑定や、目標達成のためのプログラムを開催。テレビやラジオにも出演。

 実は20代まで占い嫌いでしたが、巷で知られているのとは違う「本当の風水」を知り、現在は専業の風水師です。

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東洋の伝統を重んじ、和魂漢才スタイルで人間の幸せを創造。

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