【伝統五術】風水の五行論~五行の相生と相克~

陰陽と合わせて、必ず出てくるのが五行論。

五行論は、紀元前3000年ごろに見つけられた河図(かと)と、紀元前2000年ごろに見つけられた洛書の解釈から、現代の五行論へ発展したと考えられています。

とは言っても、河図洛書は、伝説上の模様(図)とされていますので、本当のところはよくわかっていません。

また、書物として一番最初に五行が現れたのが、紀元前300年ごろであるとされています。

五行というのは、万物を5つの元素(木・火・土・金・水)で表し、五元素の相生と相剋の相互関係で、森羅万象の原理原則を表すと言われています。

風水とは、万物を表す五行の相生相剋(自然の摂理)を利用し、人間が自然の中で共存、そして共栄していく為の学問の一つと言えるでしょう。

簡単に五行論について、下記より説明しますね。

五行論の原理原則

世の万物は五行【木】【火】【土】【金】【水】の漢字で、気(エネルギー)として表されます。

この五つの気は出来事や時間、抽象的な事柄の背景も含む万物に宿る気であると考えられています。

これらのエネルギーは、日常生活の中に確実に存在し、私たち人間に様々な影響を与えています。

その影響が人間にとっての『自然の摂理』となり、良い影響にも悪い影響にもなるのです。

また五つの気は、互いが互いに影響を与え合い、自然の摂理が完成しています。

その与え合う影響は、大きく分けると『比和』『相生』『相剋』と呼ばれる関係になります。

【比和】
もとになるエネルギーと同質のエネルギーを言います。
当然、お互いにエネルギーを強め合います。

家族関係の兄弟のような関係であると、古典の中では言われています。

木=木
火=火
土=土
金=金
水=水

のような関係。

【相生】
相生の中は、二つの現象を表します。
・もとになるエネルギーが生み出される関係
・もとになるエネルギーが生み出す関係
を表しています。

家族関係でいうと、親子のような関係であると言われています。

【もとになるエネルギーが生み出される関係】
水➡木
木➡火
火➡土
金➡水

【もとになるエネルギーが生み出す関係】
木➡火
火➡土
土➡金
金➡水
水➡木

この場合、生み出した側のエネルギーは、『漏』といって少し弱まる事になります。
母が子の面倒を見て、疲れるようなイメージです。

【相剋】
相剋の中も、二つの現象を表します。
・もとになるエネルギー弱める関係。
・もとになるエネルギー弱める関係。

行政や国と自分の関係に喩えられます。

【もとになるエネルギー弱める関係】
木➡土
火➡金
土➡水
金➡木
水➡火

【もとになるエネルギー弱める関係】
金➡木
水➡火
木➡土
火➡金
土➡水

この場合、弱める側のエネルギーも、少し弱まると考えられます。
例えば、国は国民に対し、税や法によって拘束します。
しかし、その国も、国民を拘束するのに、エネルギーを使っていると喩えられていますね。

この五つの気のお互い同士の関係により強められたり弱められたりします。

人間と五行(エネルギー)の関係

この五行のエネルギーは、人間にも大きな影響を与えます。

それは
・空間
・時間
・視覚的要素
などから始まり、食物や家族関係などを含む、日常生活の中でも、五行から様々な影響を受けている事になります。

例えば、下記の表の中で『木』の列を見て下さい。

春(2月~4月)は『木』の五行が強まります。
したがって、感情の『怒り』も強まり、人間は『イライラ』しやすくなってしまうのです。

また、『怒り』の感情は、『肝臓』に疲労をため込みます。
それと同時に、相剋の関係で、『土』と『金』が弱まります。

特に『土』が弱められる訳で、『土』の五行に属する臓器は『胃』になりますので、『胃』の不活性化が目立つでしょう。

さらに、『土』が弱められる事によって、人間は味覚で『甘い』ものを求めてしまいます。

これらの考え方は、鍼灸師の先生が問診をする時に使用する考え方です。

このように、人間は無意識の内に、自然界のあらゆるものから影響を受けているのです。

伝統風水と五行の関係

伝統風水は、これまで説明してきた自然の摂理である『五行』を活用して、日常生活を自然と共存させる為の学問であり技術であると考えられています。

例えば、風水技術の中で、最も影響力が強いと言われる『巒頭風水』。

巒頭風水の中では、『形』によって五行の分類がされています。

これらの山がどんな順番で建物に対して、並んでいるのかを確認する事によって、宅が受ける影響を読み解きます。

また、山からの形状的影響によって、吉の作用を受けるのであれば、五行を使いより一層『吉』が強まる工夫をします。

逆に、『凶』としての影響が強いのであれば、弱める方法を五行を使って考えるという訳です。

空間に対しても同じで、風水技術の中で、最もポピュラーで信憑性が高い『玄空飛星派(フライングスター)』は、河図洛書を利用して、建物の空間や方位を陰陽と五行に分類します。

その空間、方位に対して、『吉』となる五行は、『比和』や『相生』を活用して、強める事で『吉』をより一層強めます。

また、『凶』となる五行は『漏』を活用して、五行の不活性化を図ります。
(注:玄空飛星の場合、相剋の関係は使用しません。)

【古典】地霊人傑より。数字によって陰陽と五行が表される飛星図。

伝統風水師の本当の仕事

伝統風水師の主な仕事は、これら五行のバランスをとる事となります。

・季節等の時間の流れ
・食べ物
・行動
・精神的な感情など

日々、変化していくものですので、人間は簡単にエネルギーバランスが悪くなります。

それを

・伝統風水
・伝統命理術(四柱推命等)
・伝統擇日
・伝統的な方位術
・気功

などの技術を使って、クライアントのバランスを整えるのです。

つまり、五行のバランスを読み解き、クライアント様の人生設計のお手伝いをする事なんですよね。

まとめ

五行という風水を始めとする伝統五術の基本中の基本について、簡単に説明させて頂きました。

昔のの私は、古人が考えた迷信にしか思っていませんでした。

ですが、科学が進むにつれて、迷信に根拠が加わり、事実になっています。
もちろん、全ての事が、科学的に証明された訳ではありませんが、実際に起きてくる出来事を観察すると、多くの方が納得するのではないでしょうか。

この古人が現代に残してくれた『五行』は、本当にありとあらゆる場面で使用する事が出来ます。

情報過多になっている世の中で、正しい情報を抜き出す事にも、役立つ素晴らしい知識だと思っていますので、ぜひ皆さんもご活用ください!

四柱推命(個性)に合わせて、陰陽五行を活用する方法はこちら!

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伝統風水師 小林蔵道

 東洋の伝統を重んじ、和魂漢才スタイルで人間の幸せを創造。

 京都に風水専門店を構え、年間300件以上の風水、四柱推命鑑定や、目標達成のためのプログラムを開催。テレビやラジオにも出演。

 実は20代まで占い嫌いでしたが、巷で知られているのとは違う「本当の風水」を知り、現在は専業の風水師です。

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